流産後、自分だけが悲しみの底にいて、普段通りの日常に戻っていく旦那さんとの温度差に、心が張り裂けそうになっていませんか?
もしそのすれ違いが、夫婦の絆を深めるきっかけになり得るとしたら、その方法を知りたいと思いませんか。
実は、旦那の気持ちの裏にある男性心理を理解し、あなたの本音を正しく伝えることが、その鍵を握っています。
この記事では、多くのご夫婦が同じ悩みを乗り越えてきた実例をもとに、具体的な方法を解説します。
当記事を読めば、旦那さんとの心の溝を埋め、ふたりで悲しみを乗り越えていくための具体的なヒントを知ることができますよ!
- 流産後の夫の言動に隠された本当の気持ちがわかる
- 夫婦間に生まれる悲しい「温度差」の正体がわかる
- 自分を責めてしまう苦しい気持ちを軽くする方法がわかる
- すれ違った心を繋ぎ直すための具体的な対話術がわかる
- この辛い経験を、夫婦の絆を深めるきっかけに変えるヒントが得られる
流産後のすれ違い。旦那の気持ちが見えない理由

旦那の気持ちがわからない…言動の裏にある本音とは
旦那さんの「悲しんでいないように見える態度」の裏には、実はあなたを励ましたいという気持ちや、悲しみの表現方法がわからない戸惑いが隠れていることが多いです。
なぜなら、男性と女性とでは、悲しみの感じ方や表現の仕方が根本的に違うことがあるからです。
多くの女性は、辛い気持ちを誰かに聞いてもらい「そうだよね、辛かったね」と共感してもらうことで、心が少し軽くなります。
一方で男性は、問題に直面したとき「解決しなくては」と考える傾向があります。
そのため、悲しんでいるあなたを見て、「早く元気にしてあげなければ」と焦り、クリスマスや旅行など、楽しい計画を立てようとすることがあるのです。
また、男性は自分の弱い部分を人に見せるのが苦手な人も少なくありません。
「自分がしっかりしなくては」という思いから、あえて普段通りに振る舞っている可能性も考えられます。
もちろん、デリカシーのない言葉に傷つくこともあるでしょう。
ただ、その行動の裏には、あなたを元気づけたいという、不器用なりの愛情が隠れているのかもしれないのです。
ですから、旦那さんの行動をすぐに「思いやりがない」と決めつけず、その裏にあるかもしれない不器用な優しさや戸惑いを想像してみることが、すれ違いを解消する第一歩になるでしょう。
妻が受け取る印象 | 夫の言動の裏にある本音や心理(一例) | |
---|---|---|
いつも通りに振る舞う (仕事、趣味など) |
・もう悲しくないの? ・私の気持ちをわかってくれない ・自分だけが辛い |
・自分がしっかりしなきゃと思っている ・どうしていいかわからず、日常を保とうとしている ・実は一人で悲しみを抱えている |
楽しい予定を立てようとする | ・気持ちが切り替わるのが早い ・デリカシーがない ・早く忘れたいの? |
・妻を元気づけたい、励ましたい ・沈んだ空気から抜け出したい ・気分転換が必要だと考えている |
そっとしておく (口数が減る) |
・関心がないんだ ・寄り添ってくれない ・赤ちゃんのことを忘れてしまった |
・なんて声をかければいいか分からない ・下手に話して傷つけたくない ・一人で静かに悲しんでいる |
夫にイライラするのは「温度差」が原因かもしれない
流産後、旦那さんの一つひとつの言動にイライラしてしまう…。
その大きな原因は、夫婦間の悲しみに対する「温度差」にあるのかもしれません。
決して、あなただけがおかしいわけではないので、安心してくださいね。
- 身体的な経験の差:女性は体で命の存在と喪失を実感する
- 回復スピードの差:男性の方が早く日常に戻ろうとする傾向がある
- 悲しみの共有不足:お互いの気持ちを話せていないと溝が深まる
この「温度差」が生まれるのは、仕方のない理由があります。
女性であるあなたは、お腹の中で赤ちゃんの命を直接感じ、大切に育んできました。
流産は、その命を体から失うという、言葉にできないほど強烈な身体的・精神的な喪失体験です。
一方で、旦那さんはエコー写真で赤ちゃんを見たり、あなたのお腹に触れたりして、父親になる実感を持っていたはずです。
しかし、あなたのような身体的な実感はありません。
この経験の質の違いが、悲しみの深さや立ち直るまでのスピードに差を生んでしまうのです。
あなたは毎日涙を流しているのに、旦那さんはテレビを見て笑っていたり、何事もなかったかのように仕事の話をしたり…。
そんな姿を見ると、「私だけが悲しんでいる」「赤ちゃんのこと、もう忘れたの?」と、取り残されたような孤独と怒りがこみ上げてくるのも当然のことです。
このように、イライラの根本にはどうしようもない「温度差」が存在する、と理解するだけでも、「なんで私だけ…」と自分を責める気持ちが少し楽になるかもしれません。
夫は仕事を休むなど、なぜ寄り添ってくれないのか
「こんなに辛いのに、どうして仕事を休んでそばにいてくれないの?」
「病院に一度付き添ってくれただけで、もう役目は終わりだと思っているの?」
旦那さんが寄り添ってくれないと感じるのは、とても悲しいことですよね。
でもそれは、旦那さんが「寄り添う」ことの意味を誤解していたり、男性特有の責任感から「いつも通り」を無理に演じようとしたりしているせいかもしれません。
男性にとって「家族を支える」とは、まず「仕事をしっかりして、経済的な基盤を守ること」だと考える人が少なくありません。
そのため、辛いときこそ普段通りに仕事をすることが、自分にできる最大限の責任の果たし方だと信じている場合があります。
また、自分がうろたえたり、悲しんだりする姿を見せることが、あなたをさらに不安にさせてしまうと考えて、あえて冷静に振る舞おうとすることもあるのです。
多くの男性は、女性が求めているのが「何か特別なことをしてもらう」のではなく、「ただ黙って隣にいて、話を聞いてくれること」だとは、なかなか気づけないもの。
もしあなたが寄り添ってほしいと感じているなら、「愛情がない」と諦める前に、「今は一人でいるのが怖いから、そばにいてくれるだけでいい」と、あなたが本当に望んでいることを素直な言葉で伝えてみてください。
きっと、旦那さんもどうすれば良いのかが分かり、あなたの力になってくれるはずです。
妻が夫に求める寄り添い方 | 夫が寄り添えない背景にある心理・状況(一例) | |
---|---|---|
仕事を休んでそばにいてほしい | ・一人でいるのが怖い ・悲しみを分かち合いたい ・仕事よりも自分を優先してほしい |
・仕事を休むことに罪悪感がある ・職場に事情を説明しづらい ・日常を維持することが自分の役割だと思っている |
一緒に悲しんでほしい | ・同じ気持ちでいてほしい ・感情を共有したい ・一人で悲しんでいる孤独感をなくしたい |
・「男は泣くべきではない」という考え ・妻の前では強くあろうとしている ・悲しみの表現方法がわからない |
ただ話を聞いてほしい | ・つらい気持ちを吐き出したい ・共感してほしい ・アドバイスは求めていない |
・何か解決策を言わなければ、と考えてしまう ・妻の涙を見るのがつらく、話題を避けてしまう ・どう反応すればいいか戸惑っている |
実は夫も落ち込み、悲しみを隠しているケースも
流産は、もちろん旦那さんにとっても「自分の子ども」を失う、胸が張り裂けるほど辛い出来事です。
普段通りに見えたり、時には冷たく感じられたりしても、その心の内では、あなたと同じように深く傷つき、落ち込んでいる旦那さんは少なくありません。
なぜなら、多くの男性は「一家の大黒柱として、自分がしっかりしなければ」「妻がこんなに辛いのに、自分が泣いてどうする」という強いプレッシャーを感じ、自分の悲しい気持ちに無理やり蓋をしてしまうからです。
また、子どもの頃から「男は泣くものじゃない」と言われて育った影響で、自分の悲しみをどう表現したらよいかわからず、一人で抱え込んでしまうこともあります。
ある体験談では、「手術の日の夜、夫がお風呂で声を殺して泣いている姿を見て、初めて夫も心の底から悲しんでいたことに気づいた」という話がありました。
あなたの見ていないところで、旦那さんも一人、悲しみに暮れているのかもしれません。
流産は「あなたの悲劇」であると同時に、紛れもなく「ふたりの悲劇」です。
あなたにとっては、自分だけが苦しんでいるように感じられるかもしれません。
しかし、「旦那さんも同じように傷ついた当事者なんだ」という視点を持ってみてください。
そうすることで、相手を思いやる気持ちを取り戻し、ふたりで一緒にこの悲しみを乗り越えていこう、という新たな絆が生まれるきっかけになるかもしれません。
流産後、旦那の気持ちと向き合い関係を再構築するには

「旦那が嫌い…」触れられるのも嫌なときの乗り越え方
流産を経験してから、旦那さんのことが嫌いになったように感じたり、優しく触れられることさえ嫌悪感を抱いてしまったり…。
そんな自分に戸惑い、自己嫌悪に陥っていませんか?
でも、安心してください。
その気持ちは、あなたの心が自分自身を守ろうとしている、ごく自然な反応なのです。
決してあなたが冷たい人間になったわけではありません。
- 正直に気持ちを伝える:「今は辛くて触れられるのがしんどい」と優しく伝える。
- 時間を置く:無理に元に戻ろうと焦らない。心の回復を最優先する。
- スキンシップ以外の繋がりを:一緒に映画を観るなど、触れ合わなくても共有できる時間を持つ。
その理由として、あなたの心の中で、無意識に「夫との触れ合い」と「流産という悲しい結末」が結びついてしまっている可能性が考えられます。
また、妊娠や流産を経験した体と心は、あなたが思う以上にデリケートになっています。
ホルモンバランスの急激な乱れによって、心と体を守るための防衛本能が働き、一番身近なパートナーである旦那さんを拒絶してしまうこともあるのです。
このどうしようもない嫌悪感は、多くの場合、時間が経って心の傷が少しずつ癒えていくとともに、自然と和らいでいきます。
「早く元に戻らなきゃ」と焦る必要はありません。
今は、自分の気持ちを何よりも大切にして、ゆっくりと心を休ませてあげてくださいね。
嫌悪感の背景にある気持ち | 乗り越えるためのステップ(一例) | |
---|---|---|
夫の言動が原因の場合 | ・寄り添ってくれず、深く傷ついた ・自分だけが悲しんでいると感じる ・夫への不信感や怒りが消えない |
・まずは距離を置き、自分の心を守る ・少し落ち着いたら「私はこう感じた」と気持ちを正直に伝えてみる ・無理に許そうとしない |
身体的な反応の場合 | ・触れられることで妊娠や流産を連想してしまう ・ホルモンバランスの乱れで心身が不安定 ・体がまだ回復していない |
・自分を責めない ・「今はまだつらい」と夫に正直に伝える ・スキンシップを求める夫の気持ちも否定せず、受け止める |
自分を責めている場合 | ・流産を自分のせいだと感じている ・夫に申し訳ない気持ちでいっぱい ・自分は幸せになってはいけないと思い込んでいる |
・流産は誰のせいでもないことを再確認する ・自分を責める気持ちを夫に打ち明けてみる ・必要であれば専門のカウンセリングを受ける |
涙が止まらないのはあなただけじゃない。心のケア方法
流産してから、ふとした瞬間に涙があふれてきたり、一日中悲しい気持ちが続いて何も手につかなかったり…。
そんな自分が情けなくなり、「いつまでメソメソしているんだろう」「早く立ち直らなきゃ」と、自分を追い詰めてしまっていませんか?
でも、涙が止まらないのは、あなたが弱いからではありません。
それだけ赤ちゃんのことを深く愛していた証拠です。
今は泣きたいだけ泣いていいのです。
大きな喪失体験をした直後は、心が不安定になるのが当たり前。
さらに、妊娠によって変化していたホルモンバランスが元に戻ろうとすることで、感情のコントロールが普段よりもうまくできなくなっています。
そんな時に感情を無理に抑え込むと、かえって心の回復を遅らせてしまうことも。
涙を流すことは、溜め込んだ悲しみを体の外に出し、心を少しずつ軽くしていくための、とても大切な作業なのです。
流産後の心の回復には、数週間から数ヶ月、人によってはそれ以上かかることもあります。
周りのペースに合わせる必要は全くありません。
あなたのペースで、一歩ずつゆっくりと進んでいけば大丈夫。
今は、そんな頑張り屋さんの自分自身に、優しく寄り添う時間を何よりも大切にしてあげてください。
「旦那のせい」と感じてしまう苦しい気持ちの正体
「あの時、旦那がああ言わなければ…」
「もっと私の体を気遣ってくれていたら…」
流産の直接的な原因ではないと頭では理解していても、どうしても「旦那のせいだ」という恨みの気持ちが湧き上がってきて、苦しくなってしまうことはありませんか。
そんな風に感じてしまう自分を、「なんてひどい妻なんだろう」と責めないでください。
その感情は、あまりにも大きすぎる悲しみから、あなたの心が自分自身を守ろうとして、無意識に責任を誰かに転嫁しているだけなのです。
- 流産は誰のせいでもない、という事実を時々思い出してみる
- 怒りの裏にある「本当の気持ち(悲しい、寂しい)」に気づいてあげる
- 一人で抱え込まず、カウンセラーなど第三者に相談するのも一つの手
流産のほとんどは、赤ちゃん自身の染色体の問題などが原因で、誰にも止めることのできない、偶然の出来事です。
しかし、その事実を受け入れるのは、あまりにも辛すぎます。
「自分のせいだ」と責め続けるのは、心が壊れてしまいそうになるほど苦しい。
だからこそ、一番身近な存在である旦那さんへと、怒りや恨みという形で心の痛みが向かってしまうのです。
実は、「旦那のせいだ」という強い怒りの奥には、「もっとわかってほしかった」「一緒に悲しんでほしかった」「寂しかった」という、切なくて純粋な願いが隠れています。
その、あなた自身の本当の気持ちに気づいて、優しく受け止めてあげることが、出口の見えない苦しみから抜け出すための、大切な一歩となるはずです。
離婚が頭をよぎったら…夫婦で乗り越える話し合い
流産後の心身ともに辛い時期に、旦那さんとの心のすれ違いが続くと、「もうこの人とはやっていけないかもしれない」と離婚が頭をよぎるのは、決して珍しいことではありません。
しかし、その重大な決断を下してしまう前に、もう一度だけ、勇気を出して旦那さんと本音で話し合ってみませんか。
なぜなら、流産という夫婦にとって最大の危機は、関係を壊してしまうきっかけになる一方で、二人の絆をこれまで以上に強く結びつける転機にもなり得るからです。
これまで言えなかった本当の気持ちを伝え合うことで、ただの恋人同士の延長だった関係から、本当の意味での「夫婦」へと成長できる可能性を秘めています。
大切なのは、「察してほしい」と期待するのをやめ、「私はこう感じている」と自分の言葉で伝えること。
そして、「あなたはどう感じている?」と相手の気持ちを聞く勇気を持つことです。
この危機を二人で乗り越えられた時、旦那さんは他の誰にも話せない心の奥底を分かち合える、かけがえのないパートナーになっているかもしれません。
焦って結論を出さずに、まずは対話の機会を持つことを考えてみてください。
話し合いのポイント | 具体的なアクションや心構え(一例) | |
---|---|---|
話し合いの前に | 感情的にならない準備をする | ・相手を責めるのではなく「気持ちを共有する」ことを目的にする ・自分が本当に伝えたいこと、聞きたいことを整理しておく |
話し合いの最中に | お互いの本音を正直に話す | ・「私はこう感じて辛かった」と、自分を主語にして伝える ・相手の話も遮らずに最後まで聞き、気持ちを受け止める |
話し合いのゴールとして | 今後の関係性を考える | ・相手に自分と全く同じ悲しみを求めない ・「二人で一緒に乗り越えたい」という意思を再確認する ・二人で解決が難しい場合は、カウンセラーなど第三者の力も検討する |
流産後の旦那の気持ちは?夫婦の温度差の正体:まとめ
今回は、流産後の旦那の気持ちとの向き合い方について、くわしくお伝えしました。
あなたが悲しみに暮れているとき、旦那さんが普段通りに見えたり、時には冷たく感じられたりするのは、悲しみの感じ方や表現方法に男女で「温度差」があるからです。
旦那さんも、あなたの見えないところで、どうしようもない悲しみと一人で向き合っているのかもしれません。
流産は「あなたの悲劇」であると同時に、『ふたりの悲劇』です。
この辛い経験を夫婦で乗り越えるために最も大切なのは、一人で抱え込まず、勇気を出して、あなたの本当の気持ちを旦那さんに伝えてみること。
「ただそばにいてほしい」「一緒に悲しんでほしい」と素直に言葉にすることで、きっと二人の心の距離は縮まるはずです。
その対話が、夫婦の絆をより深くするきっかけになることを心から願っています。